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弁護士法人心 栄法律事務所

休車損害の請求

  • 文責:所長 弁護士 江口潤
  • 最終更新日:2021年6月7日

1 休車損害とは

交通事故によって事業用車両が損傷した場合、修理や買替えの間、当該車両を稼働させることができなくなります。

特に、運送事業に使用している緑ナンバーの事業用車両は、無許可で他の代車を使用することができません。

事業用車両を稼働できなかったことにより、同期間に得ることができた利益を喪失した場合には、休車損害が請求できることがあります。

2 休車損害の要件

⑴ 被害車両が休車していること

事故の影響により事業用車両が損傷し、買替または修理のため、被害車両が事業に使用できなくなっていることが必要となります。

⑵ 遊休車が存在しないこと

普段稼働していない遊休車が存在し、そちらを事業に代用することができる場合には、休車損害は発生しません。

したがって、当該車両の代替となる遊休車が存在しなかったことが要件となります。

遊休車が存在しない事実は、休車損害を請求する被害者側が立証責任を負います(「タクシー会社であるから、代替車両が存在するのが通常と考えられ、本件においては、代替車両の存否を含めて休車損害の根拠について、主張も立証もない。」として、休車損害の発生を否定した裁判例として、東京地判平成10年11月25日・交通事故民事裁判例集31巻6号1764頁)。

遊休車の存否は、まず、被害車両の代替が可能な同種車両を保有していたかを確認します。

次いで、代用可能な車両の実働率(保有車の台数に対する稼働車の台数の比率)、保有台数と運転者数との関係、運転手の勤務体制、営業所の配置及び配車数、仕事の受注体制等の諸事情を考慮して判断します。

たとえば、被害車両と同種の車両を保有していたとしても、当該車両が遠隔地の営業所に存在しているため、その移送に時間と費用が必要となる場合など、容易に活用できない場合には、遊休車は存在しないと判断される可能性があります。

3 休車損害の算定

⑴ 算定方法

休車損害の損害額の算定にあたっては、被害車両の1日当たりの売上を算出する必要があります。

次に、休車期間中は、被害車両を使用するために必要な経費(変動経費)の支出を免れるため、これを控除して、休車損害の日額を算定します。

休車損害の日額に休車日数を乗じることで、休車損害を算定します。

⑵ 計算式

(被害車両の1日当たりの売上-変動経費)×休車日数=休車損害

被害車両の1日当たりの売上は、事故前3か月の売上平均を元に日額を算出することが多いですが、時期によって売上の差が激しい場合には、1年間の平均値を元にすることもあります。

売上から控除する変動経費としては、燃料費、有料道路通行料、修繕費等があります。

一方、自動車保険料、減価償却費、駐車場使用料等の固定経費は、被害車両を使用せずとも負担しなくてはならないため、売上から控除しません。

⑶ 人件費について

休車損害の算定にあたり、被害車両運転手の人件費を変動経費として控除すべきかが問題となります。

運転手の人件費には、乗務手当のように、休車期間中は支払う必要がないものと、固定給のように、休車期間中も支払う必要があるものとが存在しています。

このため、人件費は、一律に控除の可否を決めるべきではなく、実際に支払いを免れたかどうかによって判断されると考えられます。

ただし、固定給が支払われている運転手が、休車期間中に他の車両に乗務していた場合には、当該固定給は損害とはならず、加害者に負担させるべきではないため、休車損害の算定にあたり、売上から控除すべきであると考えられます。

「なお、被告は、人件費を控除するよう主張するが、人件費等の固定経費は、休車期間中も支出を免れない性質のものであるから、損益相殺の観点からみて、控除しないが相当である。ただし、運転手が他の車両の運転手をするなどした場合には、人件費も控除するのが相当であるといえるが、本件の場合には、前記のように、運転手が他の車両の運転業務についていたものではないから相当ではない。」(横浜地判平成元年6月26日(交通事故民事裁判例集22巻3号714頁)

4 物損事故のご相談は弁護士に

休車損害は、その算定と立証に複雑な考慮が必要となります。

弁護士法人心は、交通事故案件に関する膨大なノウハウがございます。

名古屋近郊で交通事故にお困りの方は、是非、弁護士法人心 栄法律事務所にご相談ください。

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